大分県日田に行ってきました。
江戸時代に京・大阪・江戸を手本に町人文化が繁栄したため、小京都と呼ばれ、古い街並みが特徴の観光地となっています。
小鹿田焼、日田下駄の伝統産業、水が綺麗なため日本酒、焼酎作りなども盛んな町です。
そんな日田の銘菓そば饅頭。
日田にあるほぼ全ての和菓子屋さんで作られているほど町に浸透しているお菓子です。
今回は訪れたのがお盆明けだったため、お休みのお店も多かったのですが、7軒のお店の9種類のそば饅頭を食べ比べてみました!
銘菓そば饅頭の歴史
なぜ日田でこんなにそば饅頭が有名になったのかを調べてみることに。
今回訪れた「布善本舗」が日田のそば饅頭の発祥のようです。
布善本舗は創業200年を超える老舗。
そば饅頭が生まれたのは明治26年、お店の移転をきっかけに5代目が「日田の特産品を作ろう!」と思い立ったのがことの始まりなんだとか。
当時、日田杉の伐採後にそばを撒いていたそうで、そのそばを原料に作られたそうです。
戦後そばが入りにくくなった今も、伝統の味を絶やさぬよう、日々そば饅頭を作っており、そんな布善本舗を筆頭に日田の街ではそば饅頭が栄えました。
日田といえば、ご当地グルメ、日田焼きそばが有名なのにお菓子はなんでそばなんだろう?と疑問に思っていたことが解決!
では早速、そんなそば饅頭を食べ比べていきましょう!
色、大きさ、質感、包装のデザインなどに注目して、楽しんでいただけたらと思います!
1.お菓子の花月
そば饅頭
まず一つ目に紹介するのは花月さんのそば饅頭。
まんまるな形とすべすべ感、マットな質感かかわいいそば饅頭です。
半分に切ってみると…
わー、期待を裏切らない、さらっとしたこしあん!
薄紫のあんこが美しい〜!!!
ふかっとした食感の生地はそばの風味はさほど強くなく、いわゆるイメージに近い、王道のそば饅頭、という感じ。
とても食べやすいそば饅頭でした。
サイズは4.5cm、日持ちは2~3日間、価格は110円。
店頭ではお饅頭を蒸していて、出来立てを味わうこともできます。
そば饅頭以外にも種類豊富なお店です。
店舗情報
住所 | 〒877-0005 大分県日田市豆田町8−33 |
電話 | 0973-24-7540 |
定休日 | 不定休 |
営業時間 | 9:00~17:30 |
2.待鳥松月堂
そば饅頭
続いてのお店は待鳥松月堂さん。
新しい感じの店舗で店構えも立派で手土産やおもたせようにも使えるお菓子が揃っています。
そば饅頭はもちろん、塩饅頭が名物のようです。
(塩饅頭は白とよもぎの2種類。中の塩気の効いたあんこがふわふわ生地とマッチしてめちゃくちゃおいしい!)
そば饅頭のサイズは5cm、日持ちは2~3日で、お値段は1個108円。
そばの風味はふわっと心地よく、あんこと重なっても風味が消えるどころかお互いが引き立てあう感じ。
断面のかわいさはこの子がダントツでかわいかったです。
というのも写真を見てわかるようにスパッと切れやすいのです。
中のこしあんはさらっとしていて、全体としてあっさりとしたそば饅頭です。
店舗情報
住所 | 〒877-0005 大分県日田市豆田町10−23 |
電話 | 0973-22-2319 |
定休日 | 不定休 |
営業時間 | 9:00~17:00 |
HP | https://www.kasien.jp/s_intro/detail_w/matidori.html |
3.布善本舗
そば饅頭
そば饅頭の元祖、布善本舗のそば饅頭。
私も初めて知ったのですが、日田は日本三大鵜飼の一つなんだそう。
そのため、このそば饅頭の包装のデザインには鵜とあゆのイラストが描かれています。
先日もう一つの日本三大鵜飼である岐阜に行き、あゆのお菓子を食べたのでなんだか繋がりを感じて感慨深い…
ちなみに日田には岐阜のような小麦生地のあゆのお菓子はありませんでしたが、あゆの形の鮎もなかというのを売っているお店があったので、こちらはまた紹介します。
さて、早速元祖そば饅頭をいただきます、
生地の色は薄めです。
半分に割ると綺麗なこしあんが出てきます。
元祖というだけあって、食べる前から期待してしまいます…
生地はふわっふわ!
生地が厚めであんこに到着するまでの距離感でそばの風味を楽しめて、そのあと重なるあんこの風味が絶妙…!
しっかり元祖の味を堪能させていただきました。
サイズは4.5cm、日持ちは2~3日、価格は100円です。
祇園饅頭
続いて、同じく布善本舗さんが夏限定で販売されているのがこちらの祇園饅頭。
そば饅頭の生地の中に抹茶のあんこが入っています。
薄い緑だな〜と思って食べたら濃厚な抹茶あんでびっくり!
ただ、かなり濃厚なので、そばの生地の風味はあまり感じません。
夏らしい色合いのお饅頭。
こしあんのそば饅頭同様、生地はふわふわでもちっとしていて厚め。
今回買った中では食べ応えのある生地感を楽しむことができます。
サイズは5cm、日持ちは2~3日、1個140円でした。
店舗情報
住所 | 〒877-0044 大分県日田市隈1丁目2−29 |
電話 | 0973-22-2514 |
定休日 | 元旦 |
営業時間 | 8:00~18:30 |
4.京橘
そば饅頭
京橘さんは大福が有名なお店。
バラ売りの値段が書いてなくて、お金を払う時に1個160円だったので「ん?ちょっと高め?」と思っていたんです。
帰って食べると、なるほど、中に栗が入っていました。
生地はふわふわ!
一口食べるとあんこと栗の香りが口いっぱいに広がり、そば感はあまり感じません。
あんこはもったりなめらか、というよりはしっかりとした食感。
栗のほくっとした食感のアクセントが心地よいです。
サイズは4.5cm、日持ちは2~3日、1個160円でした。
店舗情報
住所 | 〒877-0005 大分県日田市豆田町8−36 |
電話 | 0973-23-5258 |
定休日 | 火曜日、月に1回月曜日 |
営業時間 | 8:30~17:30 |
5.中村屋
そば饅頭
そろそろ全部一緒に見え始めてませんか?大丈夫ですかね?
続いては昭和27年創業の中村屋さんのそば饅頭。
お店に並んでいる姿が神々しくって印象的でした。
そんな中村屋さんのそば饅頭は4.5cmと小さめなサイズ。
あんこの色は赤っぽく、甘みも強い!
生地だけを食べるとそばの香りもするけど、一緒に食べると完全にあんこに負けてしまっていました…。
生地はしっとりしておいしかったので余計悔しい…!
サイズは4.5cm、日持ちは2~3日、1個90円でした。
とても素敵なおかみさんで、店内写真も快くOKしてくださいました。
「若い方は外の看板をよく撮っていかれるのよ〜」なんてフォトスポットまでオススメしてくれる素敵なおかみさんです。
そば饅頭の他にはカステラやあゆもなか、日田名物の羊羹も置いてありました。
あゆもなかも食べたんだけど、こちらのあんこもかなり甘めだったので、甘党な方にはオススメのお店。
店舗情報
住所 | 〒877-0044 大分県日田市隈2丁目2−10 |
電話 | 0973-22-2657 |
定休日 | 不定休 |
営業時間 | 8:00~18:00 |
6.松浦松翁堂
そば饅頭
今回購入したそば饅頭の中で一番色の濃いそば饅頭。
そばの風味が強いのはもちろん、食感も他のものに比べそばっぽい感じでした。(しっとり感は少ない)
中のこしあんはしっとりとなめらか。
サイズ4.5cm、日持ち3日間、1個100円。
しっかりとそば感を味わいたい方はこちらのそば饅頭がオススメです。
店舗情報
住所 | 〒877-0044 大分県日田市隈1丁目3−31 |
電話 | 0973-22-2358 |
定休日 | 不定休・元日 |
営業時間 | 9:00~18:30 |
7.旭饅頭
そば饅頭
さて最後に紹介するのは、旭饅頭さん。
今回買ったそば饅頭の中でいちばんのお気に入りでした!!!
まず一つ目、生地のもちっとしっとり感がすごいこと。
そしてあんこの水分量もすごい!
私の大好きなもったりタイプでみずみずしい〜!!!!
サイズ5cm、日持ちは3日間、1個110円でした。
牛乳と一緒に朝ごはんにしたい。
栗そば饅頭
そして、そば饅頭の中に栗の入った「栗そば饅頭」。
今回のそば饅頭巡りで初めて存在を知ったのですが、いくつかの和菓子屋さんで販売されているのを見かけました。
この栗そば饅頭の元祖が旭饅頭さんなんだそう。
半分に割ると、栗が大きくて、熊本の名物いきなりまんじゅうを思い出しました。
そば・栗・あんこの味、食感共に重なり合ってどれかだけが目立つことなく調和している…!!!
こちらもそば饅頭同様もっちり、しっとりした生地がとてもおいしい。
お店の中に入ると、セイロでお饅頭を蒸している様子も見ることができます。
サイズは5cm、日持ちは3日間、1個140円でした。
このお店はHPが存在するので以下に記載しておきます。
他のお饅頭(特に破れ饅頭の白あんが最高だった)もとてもおいしかったです。
また日田にきたら行きたいと思えるお店。
発送もできるそうなので気になる方はぜひ注文してみてください!
店舗情報
住所 | 〒877-0005 大分県日田市豆田町5−20 |
電話 | 0973-22-4751 |
定休日 | 不定休、 正月元旦~4日 |
営業時間 | 9:30~18:00 (売り切れ次第終了) |
HP | https://www.asahimanjyu.com/ |
まとめ
よく食べた〜!お疲れ様でした!
日田といえばそば饅頭!!くらいのイメージだったんだけど、お店によっては表には「名物そば饅頭」なんて書いてあるのに、実際に行ってみると「今日はないです」「作っていません」みたいなお店もちらほら。
名物としての存在がだんだん薄れてきているのかなとちょっとさみしくなりました。
2~3口くらいで気軽に食べられるし、値段も手頃で買いやすい和菓子。
20軒くらいの和菓子屋さんがひしめき合っている、日本全国で見ても珍しい街です。
お店同士がいい意味でライバル関係になれるような、それぞれの特色を売り出して頑張って欲しいなと思います。
ごちそうさまでした!