福岡県大牟田市。博多から電車で1時間ちょっと。

この街にはたくさんの和菓子屋さんがあります。

大牟田の名物まんじゅうといえば焼きまんじゅうのカステラ饅頭、そして今回紹介する、蒸し饅頭の草木饅頭です。

草木饅頭はふわっとやさしく、白のこしあんが入った一口サイズの蒸し饅頭。

この草木饅頭を作っているのは2店舗のみ。

今回おとづれた大牟田駅前店は2店舗が隣り合わせで並んでいて、ライバル店のはずなのになぁなんてほっこり。

2店舗の草木饅頭を比べてみましょう!

 

そもそも草木饅頭とは?

まずは少し、草木饅頭の歴史をお伝えしますね。以下、総本家黒田屋さんのHPから引用です。

明治の中頃、初代 黒田辰治は、あちこちの名物饅頭を食べるにつれ、「自分の手でうまい饅頭を作りたい」と思いを募らせ、創作に打ち込むようになりました。

1年の歳月を費やして、ついに独創的な饅頭を完成。はじめは家族や親類を喜ばせるために作っていたのですが、やがて町の人にその評判が広がったのです。

大正3年、黒田家を創業。「草木にうまい饅頭がある」と噂が噂を呼び、いつしか「草木饅頭」の名で親しまれるようになりました。ひとつは地理的な条件が良かったのでしょう。大牟田、飯塚は炭坑の町として有名で、多くの人が炭坑で働いていました。

炭坑での作業が終わった労働者たちが最初に欲したものは、たばこでも水でもなく「甘いもの」だったのです。砂糖が貴重だった時代、手頃に食べられる草木饅頭は多くの労働者の方たちに喜ばれました。

そんなわけで草木饅頭は大牟田の街で愛されるお饅頭となったようです。

街に根付いたお饅頭。きっと一人一人に草木饅頭の素敵なエピソードがあるんでしょうね。

総本家黒田屋

さて、では早速草木饅頭を見ていきましょう!

総本家黒田屋の草木饅頭は高速道路のパーキングエリアや福岡天神の三越でも購入することができます。

(直径4.5cm 日持ち5日間)

こちらはノーマルタイプ、草木饅頭。

黒糖の入ったお饅頭生地は鮮やかなきつね色です。

中にはたっぷりの白あんが入っています。

モチっとした皮生地がくせになって、いくつでも食べれられる…!

続いては生地に煎茶が練りこまれた、「茶の香」というお饅頭。

中は白あん、サイズは草木饅頭と同じ一口サイズです。

ふわっと優しくお茶の香りに包まれます。もったりした白あんが美味しい。

大牟田はお茶処、八女の隣町。

やめ、大牟田あたりは抹茶ではなく煎茶が使われたお菓子がよく見られます。

続いては紫芋あんが鮮やかな「こむらさき」。

上の2つに比べてあんこがぴしっとしっかりとした印象。

濃厚なお芋の味を楽しむことができます。

***

黒田屋は以前行った時はこの他にもチョコバナナ饅頭とくろちゃん饅頭(竹炭の皮にくろあん)のお饅頭があったのですが、今は製造休止中なんだそう。残念。

店舗情報

店舗名 総本家 黒田屋 大牟田駅前店
住所 大牟田市不知火町
電話 0944-56-9373 
営業時間 8:00~19:00
定休日
最寄駅 大牟田駅
HP http://www.souhonke-kurodaya.com/index.php

 

江口栄商店

そして2つ目のお店が江口栄商店。

こちらのお店、メニューは草木饅頭1種類のみなんです!

PAや百貨店では売られていないので直営店に買いに行きましょう。

HPからは全国発送可能だそうなので気になる方は要チェックです!

(直径約4cm、日持ちは3日間)

こちらの方が皮が薄くしっかりとした食感!

小ぶりなサイズに美味しさがぎゅっと濃縮された美味しさです!

中に入っている白あんはほろっとした印象。

元気が出る力強さを感じるお饅頭でした。

毎月期間限定(13、14日)で祇園さん饅頭というのがあるらしく気になっています…!

店舗情報

店舗名 江口栄商店 大牟田駅前店
住所 福岡県大牟田市不知火町1-1-9
電話 0944-54-1171
営業時間 8:00~18:30
定休日
最寄駅 大牟田駅
HP http://www.eguchi-sakae.com/index.htm

饅頭にエピソードはつきものだ

以上、大牟田名物草木饅頭でした。

地元のおばちゃんが教えてくれたんですが、個包装になったのはつい最近で、昔は5個ずつ包装されていたんだそう。

地元の高校生たちは一個ではとても足りず5個売り、さらにその5個も一気に頬張っていたんだそうです…!

全国にはいろんな饅頭があってそれに伴うエピソードがつきもの。

まだまだいろんな饅頭の歴史を知りたいので饅頭に限らず和菓子のエピソードがあったら是非教えてくださいね。