お参りの時にありがとうと一緒に添えられる和菓子。
そこにはお菓子の数だけ素敵なストーリーがありました。
普段はなかなか見られないお坊さんの毎日を少しだけのぞいてみましょう。
いつも、ゆっくりしてしまうお宅。
こんな感じのおじいちゃんおばあちゃんがいてくれたらいいなと思う。
お仏壇でのお参りを終えて後ろを振り返ると、いつもの席に二人そろって座っておられる姿にはなんだか憧れてしまう。
そんなご夫婦とお菓子とお茶をいただきながら、おしゃべりをする。
今日のお菓子は切株のような見た目のお菓子。シナモンの香りと、しっとりした白いあんこ。お茶に良く合う。
歴史のことが好きなご主人と、お茶がなくなると、「もう一杯どうですか?」と、すぐに気を遣ってくださる奥さん。
このご夫婦に、不思議と町の未来やお寺の未来のことを話してしまうのはなぜだろう?
家の前の畑で暑い日も寒い日も仕事をされている姿をよく目にする。
ご主人の服や長靴は土で汚れ、日に焼け黒くなりながらも、鍬(くわ)を振っている姿が印象的だ。
ぼくが言うのもおかしな話だが、その姿はまるで修行僧のよう。
奥様もよく畑に出られて草むしりしたり、収穫する姿を見かける。
夫婦そろって、すがすがしく汗を流す姿は、丁寧に、しっかりと人生を歩んでいる姿の象徴のようだ。
これまで歩んでこられた人生の厚みと、力強いけれどゆるやかに今を生きる姿には到底かなわないなぁと思う。
そんな人たちだからこそ、未来の話を聞いてもらいたくなるのかもしれない。
今日も聞いてくれてありがとうございます。
2018.03.08
大江英崇さん
福岡県豊前市賢明寺僧侶&ローカルWebメディア「ぶぜんらいふ。」編集長。